一ヶ月前のある日にこんな依頼が舞い込んで参りました。
意外な切り口の質問です。
Q5.ステビアの毒性について 99/4/10記
※注 プライバシーの関係上、文章に一部変更を加えております。
件名 : はじめまして/ステビアについて

>はじめまして。
>ステビアについて検索していて、HPに辿り着きました。
>いろいろと勉強になります。
>ステビア=ステビオサイト と理解していいんですよね。
 そうなのです。その甘味成分&薬効成分(?)の名前なので。
>最近とても気に入ってる梅干しに「ステビア」が入っていたことを知って
>軽いショックを覚えました。ステビアは「人工」ではなく「植物からとったもの」
>ということはわかっていたのですが、ある友人に「ステビアはアメリカでは(違う国
>だったかも知れませんが外国です)避妊薬として使っているらしい」と聞いたのです。
>ということは、何か有害な成分があるのかと思い、調べていました。

>こちらのHPにはそのことについては述べていないようでしたが他のサイトで
>「アメリカでは添加物として認可されていない」ことが書かれており、それも避妊成
>分とかかわりがあるのでしょうか?

 添加物として認可されていない理由が、一応判明しております。
ネット上で出回っている情報を考察した結果なので悪しからず。


>突然のメールでわがままなお願いをして申し訳ありませんがよろしくお願いいたし
ます。

 実は、ステビオサイト等糖類全般について辞典など資料をあさったのでもう終わっ
たと思っていたのですが、天然物質の薬効の面では見ておりませんでした。
 その点も含め、再考察を書かせて貰います。


《goo検索》 ※注:ほかの検索エンジンでも調べさせてもらいました

■資料1
http://www.nlbc.go.jp/topics/K4sonota/ET/k145et01.htm
◎供胚牛におけるステビア粉末給与が採卵成績に及ぼす影響(栃木県酪試):
 これは、試験設計自体に改善の余地がありますが、南米パラグアイ等が原産の植物
ステビアの粉末を供卵牛に対する過剰排卵処理の開始直前の発情発現日から採卵日ま
で1日50 gを配合飼料に混ぜて給与すると採卵成績(採卵数と正常胚数)が向上する
可能性を示した報告でした。CIDRを利用する場合は、その挿入日から給与していまし
た。このステビアには、β−カロチン、ビタミンA、ビタミンEおよびナイアシンが
含まれています。
○つまり、排卵を向上させる可能性があるらしい事を証明したいようなのですが、はっきりしない
データーのようです。ステビアは排卵誘発の性質がある?の大元があるみたいですね。


■資料2
http://pcen101.ed.kanazawa-u.ac.jp/tokuda/kannkyou/syoku/jigaku.html
●スナック菓子
調味料(アミノ酸等)
多く取り入れると、首から腰にかけて熱を感じることがある。

ステビア
妊娠障害の可能性があると言われている。

甘草
多く取り入れると、体重増加や心臓などに害をもたらす。
○学研の本一冊についてのみの引用で、しかも小学6年生という「文章を仕上げるのが偉い」
と言うレベルなので、コメントは無しです。


■資料3
http://www.niji.or.jp/chirorin/MENU/TENNKA/tennka.html
 ステビア
 最近この言葉をよく耳にするようになりました。大塚製薬の「ポカリスエット」にも
使われており、ハデなテレビCMも行われています。また、アイスクリームなどにも使
われています。コーヒー・紅茶用のダイエット甘味科としても売られています。
ステビアというのは熱帯アメリカに生息する菊科の多年生草木で、その種類は約100
にものぽるといわれています。
 その中のステビア・レバウディアナ・ベルトニという品種の葉には、「ステビオサイ
ド」という糖に似た物質が含まれています。ステビオサイドは砂糖の3OO倍という甘
味度を有しており、原地住民の間で、甘味料として利用されてきました。ステビオサ
イドは葉から抽出可能でノンカロリーであるため日本ではダイエット甘味料として使
われているわけです。
 ステビオサイドには、薬理効果があるとされています。一つは、糖尿病患者に対し
て、血糖減少作用が認められたとされています。また通常人に対しては、血糖減少作
用は表れずに、強壮、健胃作用を持つといわれています。
しかし、原地住民の間では、避妊作用があると伝えられてきました。これは子どもを
持ちたい人にとっては妊娠障害を起こすことになるわけで、そのため種々の試験が行
われてきました。海外のレポートではそれほど問題ないという結果になっているとの
ことです。
 また、急性、亜急性の毒性については北海道大学薬学部の実験データが公表されてい
るがいずれも安全性については問題ないとされています。また変異原性(違伝子に傷
をつける毒性)についても、問題なさそうとのことです。
 しかし、天然添加物全般にいえることなのですが、合成添加物に比ぺて毒性実験はあ
まり行われておらず、またデータが公表されることも少ないのです。ですから、ステ
ビアについてもどの程度の摂取量なら1OO%安全で、どれくらい摂取すると危険にな
るのか、そのポーダーラインはまだはっきりしていません。
○長い文章ですが、データーには強くは現れていないようだと言うことです。
 一概に添加物が危ないと書く人は、一番有害な結果を選ぶ訳ですから、実際の所は
疑わしいんですよね。対してメーカー側は逆のことをするわけで。
 一時期、砂糖を摂ると頭が悪くなる、グルタミン酸(味の素)を摂ると頭が良くなる等々、
根拠の無いようなあるような良く分からない情報が出回りましたが、
健康にあまりこだわる世界は思いっきりテレビでございます。


 また、大体の食品添加物の流れてくる元締め、アメリカについても調べさせて貰い
ました。
ステビアに関する文章をAltavistaを用い、
stevia(steviosite),pregnancy(pregnant),effectなどの単語を用いて検索しました。
《Altavista検索》

■資料4
http://swiftweb.com/ha/stevia.html
http://www.mcs.net/~joyce/stevia.html
http://www.healthy.net/library/books/stevia/questions.htm
 等々の英文を見てみました。他の文章についてはステビアの影響について見つかり
ませんでした。初めての経験なので見落としもあるとは思うのですが、ご容赦下さい。

============英文=====================
Q) Is Stevia safe?

A) See chapter 6 for a detailed discussion. In general, Stevia is an
all-natural herbal product with centuries of safe usage by native Indians in
Paraguay.
It has been thoroughly tested in dozens of tests around the world and found
to be completely non-toxic.
It has also been consumed safely in massive quantities (Thousands of tonnes
annually) for the past twenty years.
Although one group of studies, perform 1985 through 1987, found one of the
metabolises of steviosides, called Steviol, to be mutagenic towards a
particular strain of Salmonella bacteria, there is serious doubt as to
whether this study is applicable to human metabolism of Stevia. In fact, the
methodology used to measure the mutagenicity in this test was flawed
according to a follow-up piece of research which also seriously questioned
the validity of the results.
For myself, I intend to use the product with both confidence in nature and
respect for the healthy moderation and balance which nature teaches us.


Q) What is the FDA's position on Stevia?

A) The FDA's position on Stevia is somewhat ambiguous. In 1991, citing a
preliminary mutagenicity study, the FDA issued an import alert which
effectively blocked the importation and sale of Stevia in this country.
Ironically, this was the year that a follow-up study found flaws in the
first study and seriously questioned its results.

In September of 1995, the FDA revised its import alert to allow Stevia and
its extracts to be imported as a food supplement but not as a sweetener.
Yet, it defines Stevia as an unapproved food additive, not affirmed as GRAS
(Generally Recognized as Safe) in the United States. The following is a
portion of this revised alert:

"If Stevia is to be used in a dietary supplement for a technical effect,
such as use as a sweetener or flavoring agent, and is labeled as such, it is
considered an unsafe food additive. However, in the absence of labeling
specifying that stevia is being or will be used for technical effect, use of
stevia as a dietary ingredient in a dietary supplement is not subject to the
food additive provisions of FD & C ACT."

In my opinion, this revision represents a political compromise between the
artificial sweetener and sugar lobbyists and the Natural Food Industry and
its representatives, as mediated by the FDA.
====================================
■自分でどうにか一部を翻訳にチャレンジして見ました。
あまり当てにしないで下さいね(^-^;
====================================
Q)Stevia は安全なのでしょうか?
A)ステビアはパラグアイに住むネイティブアメリカンが何世紀も用いてきた、全て草
からできた自然な製品であるとわかった。
 徹底的にそれは世界中何十ものテストで試されて、そして完全に無害であるのが分
かった。
 ステビアはいままでの20年の間、(数千トン単位について)安全に消費されてき
た。

 あるグループが1985から1987年にかけて行った研究で、ステビオールと呼ばれるス
テビアを変化させた物質が、特定の種類のサルモネラ菌に対して突然変異を誘導する
性質をもつ事を発見した。
 だが、この研究がステビアの人間の新陳代謝に適用できるかどうかに関する重大な
疑いがある。
 実のところ、このテストで突然変異性を測定するために使われた方法論は、研究の
一部追跡によれば、結果の正当性にも大いに疑問を持ちかける。
====================================
■FDAがステビアをダイエット食品のみに限る指定を出した年と、サルモネラ菌の
繁殖を妨げる変異性のレポートに疑問があることが分かった年が同じだそうです。
 また、FDAが食品に使わせないようにした理由も、「排卵」にかかわる問題とは
また色合いの違う、問題であったことも指摘しておきます。


■というわけで、二つ、薬効と疑わしきものがありましたが、結局は証明できてはお
りません。
 あることを証明するよりも、無いことを証明するほうが難しいと言います。
恐らく、特記するような作用はないと思われますが、どうでしょうか。
  
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